猫を迎えることが決まったら、まず準備したいのが毎日の暮らしに必要な基本グッズです。猫用トイレ、猫砂、キャリー、食器、爪とぎなど、最初にそろえるものは意外と多くあります。
一方で、ペットショップやネットにはたくさんの商品が並んでいるため、初めて猫を迎える人ほど「どこまで買えばいいのか」「本当に必要なのか」で迷いやすいものです。
猫のグッズ選びでは、犬とは違うポイントがあります。散歩用品は基本的に不要ですが、トイレ環境、爪とぎ、上下運動、隠れ場所、脱走対策はとても大切です。猫は環境を整えれば室内でも暮らせる動物とされており、環境省も猫の室内飼育に努めることを呼びかけています。【出典:環境省「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」】
この記事では、猫をお迎えする前にそろえたい基本グッズと、それぞれの選び方を、一般的な情報をもとにわかりやすく解説します。最初から全部を完璧にそろえるより、「お迎え当日から必要なもの」と「あとから様子を見て足すもの」を分けて考えると、無駄な買い物を減らせます。
⚠️ グッズ選びは、猫の年齢・体格・性格・健康状態によって合うものが変わります。体調、排泄、食事、皮膚や被毛のトラブルがある場合は、自己判断せず動物病院(獣医師)に相談してください。

まずそろえたい「必須グッズ」
お迎え当日から必要になりやすい、猫の基本グッズです。まずはここを優先して準備しましょう。
- キャリーバッグ・キャリーケース:お迎え時、通院、災害時の避難に必要
- 猫用トイレ:猫が落ち着いて排泄できる場所
- 猫砂:トイレ本体とセットで必要。好みが分かれやすい
- 食器・水飲み用の器:フード用と水用を分けて用意
- キャットフード:それまで食べていたものと同じフードから始めると安心
- 爪とぎ:家具や壁への爪とぎを減らし、猫の本能を満たす
- ベッド・隠れ家:安心して休める場所
- 迷子札・マイクロチップの確認:脱走や災害時に備える
キャットフードは、猫用として販売されているものを選びます。国内で販売される犬・猫用ペットフードは、ペットフード安全法の対象になっており、安全性に関する基準や表示の仕組みが定められています。【出典:環境省「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」】主食にするフードの選び方は、キャットフードの記事でくわしく解説します。
ペットショップやブリーダーから迎える猫には、マイクロチップの装着が義務化されています。迎えたあとは、飼い主情報への変更登録が必要です。【出典:環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」】室内飼いでも、開いたドアや窓から外に出てしまうことがあります。環境省は、迷子札やマイクロチップなどで飼い主が分かるようにしておくことを呼びかけています。【出典:環境省「迷子にさせないために」】
あると便利・あとからそろえるグッズ
必須ではないものの、暮らしやすさを上げてくれるグッズです。猫の性格や生活環境を見ながら、必要なものを足していきましょう。
- ケージ・サークル:子猫のお迎え直後、先住猫との慣らし、留守番、療養時に便利
- キャットタワー・ステップ:上下運動と見晴らしのよい休憩場所を作れる
- おもちゃ:運動不足やストレス対策に役立つ
- ブラシ・コーム:抜け毛対策、毛玉予防、皮膚チェックに使う
- 爪切り:室内で暮らす猫の爪の伸びすぎを防ぐ
- 歯みがきグッズ:口まわりの健康維持に。少しずつ慣らす
- 掃除・消臭グッズ:トイレまわり、抜け毛、吐き戻しの掃除に
- 脱走防止グッズ:玄関、窓、ベランダまわりの対策に
- 給水器・自動給餌器:水を飲みやすくしたい場合や、留守番がある家庭の補助に
ケージやキャットタワーは、家の広さや猫の性格によって優先度が変わります。活発な猫や若い猫なら上下運動できる場所を早めに用意したほうが、家具への飛び乗りや退屈対策につながります。
季節・通院・防災であると便利なグッズ
暮らしに慣れてきたら、季節や通院、防災に合わせたグッズも準備しておくと安心です。
- 夏の暑さ対策:ひんやりマット、風通しのよいベッド、室温管理
- 冬の寒さ対策:あたたかいベッド、毛布、低温やけどに配慮した暖房グッズ
- 通院用品:上が開くキャリー、キャリーに敷くシート、予備のタオル
- 防災用品:フード、水、薬、猫砂、折りたたみトイレ、キャリー、迷子対策
- 掃除用品の予備:ペットシーツ、消臭袋、ウェットシート、粘着クリーナー
災害時は、猫がいつもの環境から離れるだけで強いストレスを受けることがあります。普段からキャリーを部屋に置き、隠れ家やベッドのように使える状態にしておくと、通院や避難時に入ってもらいやすくなります。
グッズの選び方のポイント
猫用グッズは、見た目だけで選ぶと使ってくれないことがあります。猫の習性に合っているか、安全に使えるかを優先しましょう。
キャリー
丈夫で逃げにくく、猫の体が中で方向転換できるサイズを選びます。上から開けられるタイプは、動物病院で猫を出し入れしやすいことがあります。普段から部屋に置いておくなら、扉を外せるタイプや中に敷物を入れやすいタイプも便利です。
猫用トイレ
猫が中で方向転換しやすい広さがあるものを選びます。子猫やシニア猫には、入口が低く入りやすいものが向いています。カバー付きはにおいが広がりにくい一方、猫によっては閉塞感を嫌がることがあります。
猫砂
固まるタイプ、紙、木、鉱物、おから、システムトイレ用など種類があります。最初は、お迎え前に使っていた猫砂に近いものを選ぶと失敗が減りやすくなります。急に砂を変えると、トイレを嫌がる猫もいます。
食器・水飲み
食器は安定感があり、洗いやすいものを選びます。水飲みはフード皿と少し離し、複数の場所に置くと飲む量を増やしやすくなります。流れる水を好む猫には、給水器が合うこともあります。
爪とぎ
段ボール、麻縄、木、布など素材によって好みが分かれます。床置き、縦置き、ポール型など複数の形を試せると理想です。倒れやすいものは使われにくく、猫が驚く原因にもなるため、安定感を重視しましょう。
ベッド・隠れ家
猫は静かに休める場所や、身を隠せる場所を好みます。ふかふかのベッドだけでなく、箱型ベッド、ドーム型、キャットタワーの上段など、複数の選択肢があると安心です。

お手入れ用品の選び方
お手入れ用品は、猫の被毛や性格に合わせて選びます。嫌がる場合は無理に続けず、短時間から慣らしましょう。
- ブラシ・コーム:短毛ならラバーブラシや獣毛ブラシ、長毛ならコームやスリッカーなどを使い分ける
- 爪切り:猫用の小さな爪切りが扱いやすい。血管を切らないよう少しずつ
- 歯みがき用品:歯ブラシ、歯みがきシート、ジェルなど。口元に触る練習から始める
- シャンプー・ドライシャンプー:基本的に頻繁なシャンプーは不要だが、必要な場合は猫用を選ぶ
- 目・耳まわりのケア用品:汚れが気になる場合に使う。赤み、におい、痛がる様子があれば受診
長毛種は毛玉ができやすく、短毛種でも換毛期には抜け毛が増えます。ブラッシングは見た目を整えるだけでなく、皮膚の赤み、しこり、フケ、脱毛に気づくきっかけにもなります。
猫の年齢・暮らし方で変わる選び方
同じ猫用グッズでも、子猫、成猫、シニア猫では合うものが変わります。
- 子猫:入口の低いトイレ、軽くて扱いやすい食器、誤飲しにくいおもちゃ
- 成猫:体格に合ったトイレ、運動不足を防ぐおもちゃやキャットタワー
- シニア猫:段差の少ないトイレ、低めのベッド、滑りにくい床まわり
- 長毛種:コーム、スリッカー、毛玉対策のブラシ
- 多頭飼い:トイレ、食器、水飲み、休憩場所を分散させる
特にトイレは、猫にとって生活の質に直結します。汚れ、狭さ、場所、砂の感触が合わないと、トイレ以外で排泄してしまうことがあります。失敗が続く場合は、グッズだけでなく、膀胱炎など体調面も含めて確認しましょう。
グッズの置き場所・環境づくり
猫のグッズは、何を買うかだけでなく、どこに置くかが重要です。
- トイレ:人の出入りが多すぎず、猫が落ち着ける場所に置く。食器や寝床のすぐそばは避ける
- 食器・水飲み:掃除しやすく、静かに食べられる場所へ。水は複数箇所に置くとよい
- 爪とぎ:猫がよく通る場所、寝起きに伸びをする場所、家具の近くに置くと使われやすい
- ベッド・隠れ家:静かな場所、高い場所、少し暗い場所など複数用意する
- キャットタワー:倒れにくく、窓辺や部屋を見渡せる場所に置く
- 危険なものを片づける:電気コード、ひも、小さな部品、誤食しやすい観葉植物を猫の届く範囲から外す
猫は高い場所、狭い場所、外を観察できる場所を好むことがあります。部屋の広さが限られていても、キャットタワーや棚、窓辺のベッドを使えば、猫が過ごせる空間を増やせます。

安全のために気をつけたいこと
猫用グッズは、安全に使えるかを必ず確認しましょう。
- おもちゃのひも、羽、鈴、小さな部品は誤飲に注意
- 留守番中は、壊れやすいおもちゃや長いひもを出しっぱなしにしない
- 首輪は強く引っかかると外れるセーフティタイプを検討する
- キャットタワーは安定感があり、体重に合ったものを選ぶ
- 電気コード、薬、人間の食べ物、観葉植物は猫の届かない場所へ
- ベランダ、窓、玄関は脱走防止を優先する
値段や見た目だけで選ぶと、壊れやすかったり、猫が使わなかったりすることがあります。特にキャリー、キャットタワー、首輪、おもちゃは、安全性とサイズを優先して選ぶほうが失敗しにくいです。
こんな時は相談を
- トイレ以外で排泄する、何度もトイレに行く、尿が出にくそう
- 爪切りやブラッシングを極端に嫌がる
- 皮膚の赤み、脱毛、フケ、かゆみがある
- 食器やフードを変えてから食べない、吐く、下痢をする
- どのグッズが合うか分からない
排泄の変化は、単なるトイレの好みではなく病気のサインのことがあります。特に尿が出ない、血尿、何度もトイレに行くといった症状は早めに動物病院へ相談してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 最低限、これだけはそろえたいものは?
キャリー、猫用トイレ、猫砂、食器、水飲み、キャットフード、爪とぎ、休めるベッドや隠れ家は、お迎え当日から必要になりやすい基本セットです。
Q. 猫にケージは必要ですか?
すべての猫に必須ではありません。ただし、子猫のお迎え直後、先住猫との慣らし、留守番、療養、災害時には役立つことがあります。閉じ込めっぱなしにするものではなく、安全な居場所として使う意識が大切です。
Q. トイレは何個必要?
1匹ならまず1個から始めても構いません。ただし、トイレの失敗がある場合や多頭飼いでは、数を増やしたほうが落ち着くことがあります。置き場所や砂の種類もあわせて見直しましょう。
Q. 中古やお下がりのグッズでも大丈夫?
使えるものもありますが、におい、汚れ、破損、劣化を確認しましょう。トイレやベッドは前の動物のにおいを嫌がる猫もいます。キャリーやキャットタワーは、安全性を優先して状態をよく見てください。
Q. 自動給水器や自動給餌器は必要?
必須ではありません。水をあまり飲まない猫には給水器が合うこともありますが、掃除を怠ると衛生面の問題が出ます。自動給餌器も便利ですが、食欲や体調変化に気づきにくくなる面があります。
Q. 室内飼いでも迷子札は必要?
必要性は高いです。室内飼いでも、玄関や窓から脱走する可能性があります。首輪が苦手な猫もいるため、迷子札とマイクロチップを組み合わせて考えると安心です。
まとめ
猫のお迎えグッズは、「最初に必要なもの」と「あとから足すもの」を分けると準備しやすくなります。
- 必須:キャリー、猫用トイレ、猫砂、食器、水飲み、キャットフード、爪とぎ、休める場所
- 便利:ケージ、キャットタワー、おもちゃ、お手入れ用品、掃除グッズ、脱走防止グッズ
- 猫はトイレ、爪とぎ、上下運動、隠れ場所の環境づくりが重要
- おもちゃ、首輪、キャットタワー、キャリーは安全性とサイズを優先する
- 室内飼いでも、迷子札やマイクロチップなどの所有者明示を考える
最初から高価なものを一気にそろえる必要はありません。まずは基本の生活環境を整え、猫の性格や好みを見ながら、必要なグッズを少しずつ足していきましょう。
フード選びについては別記事でくわしく解説しています。猫種によって体格、被毛、性格、かかりやすい病気も異なるため、お迎えする猫種の記事もあわせて確認しておくと安心です。



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